【映画感想】”国宝”を観てきました!

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李相日さん監督、奥寺佐渡子さん脚本の映画【国宝】を観てきました!

吉沢亮さんと横浜流星さんが歌舞伎の女形を演じる!というミーハー心だけで観にいきたいと思っていた本作ですが、とても奥が深い作品でしたので備忘録として感想を書きたいと思います。

※ネタバレを含みます!ご覧になっていない方は映画を観てから読んでください!

あらすじ

下記が公式サイトより引用させていただいたあらすじになります。

後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。

この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、
上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。

そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。

正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人。

ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく…。

誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。

血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。

もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”。

何のために芸の世界にしがみつき、激動の時代を生きながら、世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?

圧巻のクライマックスが、観る者全ての魂を震わせる―― 。

(公式サイトより引用)

映画を観る前と観終わった後では最初に抱いていた作品の印象と大きく変わりました。

吉沢亮さん演じる”喜久雄”が、歌舞伎の一族の出ではないにも関わらず才能がありすぎるあまり、周りからも距離を置かれ独りで【人間国宝】と呼ばれるまでの歌舞伎役者に上り詰める内容だと思っていました。

しかしそんな単純ではなく、【人間国宝】までの道のりには多くの人との出会いや別れがあり、芝居だけでなく心も成熟し磨かれていき頂へと辿り着いていく…そんな話でした。

【国宝】の感想

映画が3時間近くあるとのことだったのと、私自身邦画の静かな雰囲気が苦手なこともあるため途中で飽きてしまうかもな、と思いましたが杞憂でした。

映画の中では実際の歌舞伎の演目を6つほど演じており、それが見応えあるので時間が経つのはあっという間に感じました。歌やダンスを挟むミュージカル映画の歌舞伎版に近い感覚だと思います。少し語弊があるかもしれませんが、飽きずに見ることができる構成でした!

モモチ
モモチ

怒涛の3時間でした!

(※以下、映画の内容に触れています!)

役者の家出身ではない喜久雄の才能を目の当たりにし、家を飛び出した御曹司の俊介。師である花井半二郎の名前を継ぎ、喜久雄は三代目花井半次郎を襲名したものの、今際の際には実の息子である俊介の名前を呼ぶ二代目半二郎。才能はあるのに後ろ盾がなくなった途端に役すら貰えなくなり、汚い手をなんでも使った結果、歌舞伎界を追われてしまうことに。才能があるのに、芸があるのにそれを披露する場を奪われた辛さに鑑賞中涙が溢れてしまいました。

俊介は「役者の血に守られている」と言われていたのに、最期はその血、遺伝子で父と同じ病気で亡くなることに何かの因果を感じずにはいられません。歌舞伎がもっと上手くなりますように、それ以外は何もいらないと悪魔と契約したと話す喜久雄でしたが、その後の人生で友、居場所、他にもたくさんの大事なものが彼の手からこぼれ落ちていくことを思ったら本当に全てを捧げたんだなと。

彼がずっと見たいと思っていた景色は作中の最後のシーンなのだと思いますが、雪のようなキラキラしたものが空から降っている様子とあたり一面が真っ白に覆われている風景は、映画冒頭の喜久雄の父親が抗争で亡くなるシーンを彷彿させました。喜久雄の娘が「花井半次郎の芝居を見ていると、正月を迎えたような気分になる。」と話しているシーンがありましたが、喜久雄の父が亡くなった風景と時期、それが彼の心の中にいつもあった原点の景色ではないかと感じます。

こちらも最後のシーンですが、子供の頃に小野川万菊の”鷺娘”の芝居を見てバケモノだと言った喜久雄が、同じ演目を演じ、見たかった景色に辿り着くという演出に鳥肌が立ちました。

あと個人的に三浦貴大さん演じる竹野がとても良かったです。初めは喜久雄と言い争ったり、歌舞伎の世襲制に冷ややかな目を向けていたりしたのに、なんだかんだ喜久雄を気にかけてくれていたのがあの映画での癒しでした^^

最後に

こちらの映画は小説が原作のようです。(アフィリエイトリンクになりますのでこちらから購入すると私に少し収益が入ります。それはちょっと…な方はご自身で調べてご購入ください^^)


歌舞伎の世界は足を踏み入れたことはないのですが、作中の”鷺娘”、”曽根崎心中”、”二人道成寺”、”二人藤娘”などなど調べてみたらとても興味が湧いたので機会があったら観てみたいなと思いました。俳優さんが演じられていてこんなに惹かれたのだから、実際の歌舞伎役者さんの芝居を見たらとても言葉では言い表せない感覚になりそうです。

映画【国宝】、皆さんもご興味あればぜひ劇場に足を運んでみてください!

モモチ
モモチ

今回の映画の予告で坂口健太郎さんと渡辺謙さんの【盤上の向日葵】が気になったのでチェックしておこうと思います。サザンの曲がと手もよかった…!こちらは10月公開予定です!笑

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